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  • 執筆者の写真nextform じゅんや

天才になれなかった全ての人へ

更新日:6月19日


「天才になれなかった全ての人へ」 こういう文章からこの物語は始まります


 

僕は、高校生の時にグラフィティアートのグループを作り、 南大阪を中心に活動していました。ドレッドしている時の僕ですね。


現在、依頼された壁画は残っているかなぁって思い出す事もあります。 結成当時、1994年ですね。グラフィティアートの情報源が少なかったですが、 その中でも「C.B.S.」というアメリカのグループに憧れを抱くようになりました。 彼等が使っている、日本では手に入りにくかった「KRYLON」という ブランドのスプレー塗料はどんな吹き心地なんだろうかと思いを馳せたり 彼等のレタリングのスタイルをずいぶん真似もしました。


スプレーのノズルを改造して、細吹き用、横吹き用。 何個もポケットに入れ、スプレーさえあればいつでも描ける。 色乗りが良さそうな、壁を見れば、ウットリしていたものです。


同じく高校生の時分、僕らは堺市の百舌鳥駅(当店のマークは百舌鳥なのはこの理由も1つ)から 近くに絵画教室に通っていました。 デッサンなどを叩き込まれたのはこの頃です。 非常に優秀で温かい先生方や先輩方に恵まれ、僕は絵画がより一層好きになり、 毎週のように、画廊や美術館に行っていました。 その頃は画廊が多かったのです。 また、先生方はグラフィティアートの活動を面白がり、 絵画教室のシャッターにまで描く事をお許し頂きました。


やがて、それぞれのメンバーは、芸大に入学していきます。 僕は、活動を同時進行しながら、大学を中退し、 専門学校へ入学。グラフィックデザインを。 僕たちのツールは、スプレーノズルではなくなっていきます。 グラフィティアートのグループは、形を変え。 2000年にデザイングループになります。 グラフィックデザイン、インテリアデザイン、プロダクトデザインなど、 ジャンルは様々な事を習得したメンバーが再会します。 VJとして、皆さんの前に登場する事も多かったのですが、 これがnextformの前身です。 学生を終えた僕は、大阪の広告制作会社にデザイナーとして就職しました。 憧れのデザイナーも沢山いました。何回かですが広告賞も頂きました。 同時進行していた初めてのnextformの展覧会を決定後、退職し、 自惚れていた僕は、独立をしたのです。 今作の、クリエイティブと営業の狭間の事もよく分かっていなかったのにです。 写真はnextform第一回目の展覧会の写真です。


 

話を戻します。 「天才になれなかった全ての人へ」という文章から始まる物語。 『左ききのエレン』という漫画です。 僕はリメイクされた「ジャンプ+」に掲載されている方で知ったのですが、

原作は他にあるそうです。 12月4日に、リメイク版の『左ききのエレン』第1巻が発売されます。 僕は何の回し者でも何でもないのですが、この漫画は心が痛い。本当に痛い。 第1話、第2話ぐらいまで読んでも分かるのですが、 ・グラフィティアートがきっかけ ・絵の才能 ・広告制作のデザイナー が、要素で物語がスタートします。

俺の事何じゃないか?

って思うほどだったのです。 『左ききのエレン』にもありますが、chappieが表紙のリラックスも持っていました。 修正を間に合わせるために、本当に言った事があります。 俺のスピードに付いてこれるか!Mac!! TOMATOKyle CooperThe Designers Republicなど、 僕は、彼等にどれだけ影響を受けたのだろう。 ただ少し違うのは、準主人公の男の子より、僕が少し恵まれていたのかもしれません。 Enlightenmentのヒロ杉山さんやgroovisionsのミルクマン斉藤さんとお仕事出来たりだとか、 groovisionsの伊藤さんをご紹介して頂いたりだとか。 groovisionsの名付け親であるPIZZICATO FIVEの小西さんともお仕事出来たりだとか。 間接的ではありますが、佐藤可士和さんともお仕事出来たりだとか。少し。 写真は、ヒロ杉山さんとです。


ただし、彼等はやはり僕から見ると、憧れの人であって、 独立して十数年も経った今も、僕は天才になれていない。 いえ、言い方を変えます。なれなかったのです。 なんだ。そういう業界のお話か! ....だなんて、早合点しないでください。 実際舞台はそうです。 グラフィックデザインをしている僕が、皆さんに問います。 貴方は、グラフィックデザイナーを何人知っていますか?名前を言ってみて下さい。 たいして出てこないでしょう? 世の中には制作物は溢れているのに。 日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)会員の僕でさえ、 JAGDA主催の展覧会などで「へぇ。こんな人いるんだ」って感じなんです。 その影の立役者達の、生々しいお話です。 僕は、近年にみる、暴力や性や人命を軽んじて、

上積みだけトレースしたような漫画より よっぽどホラーに見えます。 そして、情熱に溢れ、ドラマティックです。 そして、僕らクリエイターにとっての哀しみが描かれています。 毎週ジャンプ+で配信作を読む度、唾をごくりと飲むのです。 どうか皆さんに知って欲しくて、このブログを書きました。 わかってわかって!と駄々をこねる子供のようになりますが、 『左ききのエレン』が流通して、普段、のほほんとしているクリエイターの

矜持と哀しみを感じて欲しく思います。 天才になれなかった全ての人が読んで欲しい。 『左ききのエレン』第1巻は、2017年12月4日発売です。


写真は、原作者様のツイッターより拝借しました。 Amazonのリンクはこちらになります。

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